「解体とアプローチ」田中真吾×薬師川千晴展
八日市文化芸術会館
〒527-0039滋賀県東近江市青葉町1-50
0748-23-6862
2020/1/18(土)- 2/2(日)
昨今、美術表現は多様な手法、素材が使われ簡単に分類化することができないほど複雑です。
また、テーマやコンセプトに沿って手法や素材を選ばれたり、既存のカテゴリーや技法を疑い、
その研究の成果物として作品を生み出すアーティストもいます。そうして生み出される現代の作品
に出会い、多様な表現や作家の思考に触れることは固定概念を超え、ものごとに対するイメージや
視野を広く、豊かにもつことに繋がるのではないでしょうか。また本展では、東近江市の素材や歴
史文化に目を向け、アーティストとともに新たな視点で再発見する取組も行います。
今回は滋賀を拠点に活動する田中真吾・薬師川千晴の2名の作家を取り上げ紹介いたします。
田中真吾は一貫して制作工程に「火」を用います。燃える・溶ける・焦げるなどの現象、それらの
偶発性を活かし、解体・再構成することで作品化します。薬師川千晴は練り込みテンペラや油絵具、
デカルコマニー技法(紙と紙との間に絵具を挟み、再び開いて偶発的な模様を得る技法)を用いて、
絵画の存在、絵具の性質を見つめなおし再考するような形で作品を提示します。両者は、作品が表
出するまでの工程で素材や技法に対する様々なアプローチを試み、絵画や彫刻の成り立ちをも解体
しながらそれらの枠を超えた作品を生み出します。本展ではこれまでに制作された作品シリーズの
他、東近江市の古材や、布引丘陵で採取した朱土を使用した新作も発表いたします。