天竺綿の滲み方の比較をしてみました。
先日、発売いたしました『天竺綿短冊』と同条件の貼り込みを各種紙類などに再現した上で、明らかに滲みやすい物、
墨汁(原液)
淡墨(墨汁1 : 水10)
アクリル絵の具(1 : 水30)
を使用しました。
比較の結果、紙の厚み(素材の吸水しやすさ)、ドーサ等添加の有無による差が顕著な印象でした。
実際比較してみると日本画用の最高級と言われる物より書き味の優れた汎用製品があったり、絹はドーサを引くと色の境界が分離するけれどドーサを引かない方が伸びも顔料の落ち着きも良かったりと意外な発見も見受けられました。
ドーサ類は剤や引き方により全く変わってくるので一概には言えませんが、好みや志向する画によりコントロールしてゆく事が作家さんに依る裁量、自由度に関わってくるものだろうと認識を新たに致しました。
極端な例ですが分かりやすい比較例として、一般的な合成和紙と天竺綿の比較画像を載せておきます。いづれもドーサ類は使用していません。
水分量を控えるといづれも滲まない方向になります、ドーサを引いてしまえばどの素材も似たり寄ったりの結果になりますので、このリッチな滲み方を生かした上での水分量のコントロールが使いこなしのキモになるのではないかと思いました。