マルオカ工業の木枠「A木枠」を詳細に調べてみたよう

お久しぶりです。絵描きアルバイターの近藤太郎です。

今日は販売している製品の中で最も歴史が古く、マルオカ工業の代表的な商品「A木枠」を詳しく取り上げてお話ししていきたいと思います。

まず『A木枠』と言われてそれはなんだ?と思う方もいると思います。
マルオカ工業で製造・販売している絵画用の木枠にはざっくりと分けて4種類あります。
それはA木枠・フローティング木枠・J木枠・ライト木枠です。これらは使用される素材がそれぞれ
異なっています。

A木枠→米杉ムク材       *ムク…一本の木材から切り出された材のこと

フローティング木枠→杉集成材  *集成材…木材の良い部分を集めて成型された材のこと

J木枠→ジェルトン集成材

ライト木枠→ファルカタ集成材

使用される材によって価格も変わってくるので、それによって初めてキャンバスに絵を描くビギナーの方・もしくは失敗も含めて沢山作品を描きたい方はJ木枠・ライト木枠。実際に作品を描いて販売する方、ギャラリーで展示する方、できるだけ長く作品を残したい方にはA木枠・フローティング木枠という分け方ができると思います。

A木枠とフローティング木枠の違いはムク材であるか集成材であるかというのと木枠の側面の高さも大きく異なります。A木枠の厚さが最大37mmであるのに対しフローティング木枠は最大56mmと2cm近く異なります。それによって側面まで絵を描いたり、展示した際により立体感が出るので、作者の表現したい展示によってA木枠かフローティング木枠か?という選択になるのかなと思います。

『A木枠』の『A』は何なのかというと、
マルオカ工業が絵画用木枠を作り始めた初期の頃には『B木枠』というものもあり、A木枠の中から傷がついていたり汚れがあったものをB木枠として分けていたそうで、その名残で『A木枠』という名前が今も使われているみたいです。

話が逸れてしまいましたがここまでが大雑把にですがマルオカ工業にある木枠の種類とその一つとしてあるA木枠の紹介でした。ここからは木枠を詳細に図で見ながら色々と説明したいと思います。

木枠は一見木材が組み合わさって平面的な四角形を作っている単純な構造に見えますが、実はよく見てみるとかなり複雑に細かくできています。

まずは木枠の角。かなり重要なポイントです。ここによって木枠の強度や絵画の四角形が美しく決まってくると言っても過言ではないと思います。そして絵を描く多くの方は知っていますが、この角の接着で釘やネジは使われません。木材の加工によって手とハンマーだけで組むことができます。組めばまたハンマーで叩いて手で取り外すまでは外れることはありません。

そしてその角を側面から見た図です。図にも書いてある通り外枠の木材一本一本に内側に向かって若干の角度がついています。それはキャンバス(絵を描く布)を張った時に木枠に接地しないようにする為です。木枠とキャンバスがピッタシついていると絵を描くと枠の跡が浮かび上がってしまいます。
そしてその下の図のように木枠が組み合わさる部分にも角度がついていてキャンバスを強く裏面方向に引っ張ってタックス(キャンバスを木枠に止める釘)を打ったとしてもその強い力によって外枠がねじれないようになっています。


続いては木枠を内側から支える桟(さん)の部分です。一般的には10号以上(約53cm×45cm)の大きさから桟が付きます。大きくなればなるほど木枠を安定させる強度の要になります。こちらも手ではめ込む事ができ簡単には抜けないよう加工されています。

これは桟を側面から見たものと外枠の穴部分に入る正面部分を図にしたものです。前述したように手ではめることは出来ても簡単には抜けないよう桟のとっかかり部分よりも外枠の穴は小さく空けられています。しかしそれだと穴に入らなくなってしまうのでとっかかりの先端部分の四辺の角は削られています。また桟のキャンバスに面する側の角は滑らかな丸みを帯びています。これも外枠と同様に描画中に角が当たって跡にならないようにするためです。

またマルオカ工業のサイトより注文を頂くと10号以上であればクサビがついてきます。クサビとはキャンバスを張り、絵を描いた後に弱くなってしまったテンション(張力)を木枠の外枠と桟の全ての接続部分に打ち込むことで強いテンションを復活させる事ができるものです。上の図のように木枠にクサビを打ち込める穴が空いています。

図のようにクサビを打ち込む事で木枠の接着面に隙間ができキャンバスの張りを強くする事ができるのです。

 

いかがでしたでしょうか?今回は普段あまり見ることのない木枠の細かな部分を説明させていただきました。この『A木枠』の細かな構造はJ木枠やライト木枠にも反映されています。ぜひお時間ある時にみてみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました〜。

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