ライト木枠について、あらためてご紹介します
マルオカ工業では、約15年前よりライト木枠の材料を「ファルカタ集成材(南洋桐)」へと変更しております。
これまでにご購入いただいたお客様からもご好評をいただいておりますが、今回あらためて、素材変更の理由や特長をご紹介させていただきます。
木枠の選定は、作品の仕上がりや長期保管にも関わる大切な要素です。
まだご存じでなかった方や、これからご購入を検討されている方にとって参考になれば幸いです。
【経年変化の実例】桐は年数とともに色が変わることがあります
もともと使用していた「桐」は、日本でも古くから親しまれている、非常に軽くて扱いやすい木材です。
弊社が木枠に使用していた「桐」は国産のものではなく「中国キリ」という全く違う材料ですが、昔から使われている「桐」のイメージが先行していったのだと思います。
しかし、どちらの材料も時間が経つにつれて色味が濃くなり、茶色っぽく変色するという特性があります。
こちらは、約15年前に制作していた中国キリ製の木枠の例です。
白く明るい木肌が、数年を経て茶色みを帯びているのがわかります。
これは木の自然な経年変化によるもので、品質や強度には問題ありませんが、作品の見た目や保存を重視される方には、少し気になります。
【変更の背景】
作品(キャンバス)と直接接触する木枠も美しさを保つために
このような中国キリの性質をふまえ、より美観を長く保てる素材として採用したのが「ファルカタ集成材」です。
ファルカタは、軽量で柔らかく、扱いやすさという点では従来の中国キリとよく似ていますが、
時間が経っても色味の変化が少ないという点で、特にキャンバス木枠には適していると判断いたしました。
また、杉の木枠と比べると強度はやや劣るため、必要な強度を保つために大型サイズでは木枠の幅を広めに設計しています。
【現在使用中の素材】ファルカタ集成材の特長
ファルカタ材は、主にインドネシアやフィリピンなどの東南アジアで育つ木材です。
軽くて柔らかく、加工もしやすいため、さまざまな用途(贈答品の外箱や合板)に使われています。
ファルカタは5~7年で伐期をむかえるため、インドネシアでは植林のプログラムが繰り返されており環境にも配慮された材料です。
ファルカタは、アクやシミが出にくいため白く明るい木肌を長く保つのが特長で、
「作品と一緒に木枠も美しく保ちたい」「飾る際の見た目にもこだわりたい」という方にもおすすめです。
【まとめ】これからも品質と美観にこだわった木枠をお届けします
すでにライト木枠ができて約15年が経過していますが、
「キリの木枠はありますか?」「木枠が変な色のなってしまって困っている」というお声をいただくこともあり、今回あらためてご案内いたしました。
マルオカ工業では、これからも作品の完成度を支える確かな素材選びを心がけてまいります。
ご質問やご不明な点がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。
🔍 木材の比較表(参考)
特徴 | 桐 | ファルカタ(南洋桐) |
---|---|---|
重さ | 非常に軽い | 非常に軽い |
加工のしやすさ | 高い | 高い |
経年による変色 | 茶色く変化することがある | 比較的変化が少ない |
明るさ・見た目 | 白っぽい → 茶色に変化 | 白っぽさを長く保ちやすい |
🖼 作品の土台となるキャンバス木枠も、こだわりのひとつ。
お気に入りの素材で、ぜひ安心して作品づくりをお楽しみください。