ミズナラ樽(ワイン・ウィスキー)

ミズナラ樽はワイン及びウィスキーの熟成工程に欠かせない木樽のひとつです。ワインの香りは熟成される過程で使用される樽の種類によって変わります。フランスではフレンチオーク樽が、アメリカではホワイトオーク樽があります。フレンチオーク樽はバニラの香りが強く、ホワイトオーク樽はバニラ香に加えココナッツの香りが強いと言われています。プレミアムなワインを熟成させる樽として非常に人気が高くなっています。

日本ではミズナラ材が木樽に使われます。ジャパニーズオークとも言われ、伽羅(キャラ)・白檀(ビャクダン)のようなオリエンタルな香りを持ち合わせた素晴らしいワインに仕上がります。このミズナラ樽はフレンチオークに匹敵する高級オーク材として扱われています。

また、オーク樽で貯蔵することで、樽材の中のラクトンが詰めたワインの風味に影響を与えることが解ったのです。オーク材の持つ化学成分がワインの中に溶け込むことで、熟成に由来する”旨味”を引き出し、ワインに個性を与えてくれます。オーク樽を使う事はワイン及びウィスキーを生産するうえで不可欠な要素となっています。

ヤマザクラ樽(焼酎・日本酒)

そもそも熟成とは

 ”成熟して十分なころ合いに達すること”

 ”食品が分解され特殊な風味・旨味がでること”

という意味があります。通常、焼酎は蒸留された後、酒質を安定させるために1か月~3か月熟成させ出荷されます。熟成焼酎になるとその熟成期間は1年半~2年、長いものは20年になるものがあります。熟成する際の貯蔵方法として樽・タンク・亀があります。使用する樽の香りが焼酎に移るために「焼酎の種類」×「樽の種類」の数の風味が出来上がります。また、ウィスキーのような美しい琥珀色(薄目)も特徴の一つです。

スギ樽(日本酒)

日本人は昔から「木」を多用した民族です。昔は今よりもっと身近な存在でした。醤油やお酒の熟成は微生物の作用で進行するため、年間を通して一定の温度を保つ必要があります。木樽は木の断熱・保温機能が働き熟成に適した環境を作ります。酒やしょうゆなどの貯蔵目的としてつくられた樽は板目板独特の「木香」が付加され、木の持つ熟成効果による味わいが微妙に空気を通すことにより味をまろやかにさせ、どげとげしいところが全くなくなり、個性的な唯一無二の味わいを醸し出します。先人たちは夫々の素材を十分に見極め、使い分け、」その用途に最適なものを作って使用してきたのです。